週刊ビッグコミック・スピリッツの『アイアムアヒーロー』の連載が今年2月に終了してからはや八ヶ月が経過しました。そろそろ次回作の噂でも聞こえてくる頃かなぁとぼんやり思っていましたが、今週号のビッグコミック・スペリオール(2017 No.24 11/24号)の巻頭折込ページを見て驚愕しました。

スペリオールの年末年始にスタートする新連載群を紹介する力の入った折込ページなのですが、なんとそこに花沢健吾先生の名があったのです。

『花沢健吾参戦決定!』と大書されております。
スペリオール 2018年 新連載

ただ、新連載陣のほかの四人の先生のタイトルと新連載開始号は確定しているのに、ただ一人花沢先生だけは作品名も連載開始号もまったく未定となっています。

開始号 (発売日) 作者 タイトル

第1号 (2017 12/8発売) 奥浩哉 『GIGANT』

第2号 (2017 12/22発売) 石川優吾 『BABEL』

第3号 (2018 1/12発売) 鳥島灰人 『この恋はツミなのか!?』

第4号 (2018 1/26発売) 山本亜季 『賢者の学舎』

未定 (2018 ?/?発売) 花沢健吾 題未定

開始号未定ではありますが、いくら宣伝とは言えあまり先の予定を載せるとは考えにくいですし、連載開始は2018年の2月か、遅くとも3月ではないでしょうか。

これが短期集中連載とかでなく、本格長期連載となることを祈るばかりです。

花沢健吾 新連載

また、タイトルは未定にしても、さすがにこの段階ですから内容はほぼ確定していることでしょう。描かれた女主人公?と思しき絵と『わたしはまだ「男」を知らない』という添え書きからすると、人間関係に重きをおいたテーマの作品ではないでしょうか。

思い起こせばこれまで花沢先生の(長期)連載作品のテーマは、

『ルサンチマン』(SF系)
   ↓
『ボーイズ・オン・ザ・ラン』(人間関係系
   ↓
『アイアムアヒーロー』(SF?系)

と、SF系、人間関係系が代わりばんこでした。順番から言うと今回は人間関係系ということになります。もっとも表面的なテーマは別として、花沢作品の根底テーマは三作とも(あるいは他の短編群までふくめて)すべて人間関係についてでした。それはおそらく今回作でも変わりないでしょう。

さて、これまでの花沢氏の漫画作品は、講談社モーニングや同じ小学館のヤングサンデーに掲載された数作を除けば、すべて『ビッグコミック・スピリッツ』もしくはその増刊号が掲載誌でした。上記三大連載はすべて『ビッグコミック・スピリッツ』が掲載誌です。

ところが今回の掲載誌は、同じ小学館の青年誌とはいえこれまで一度も掲載の無かった『ビッグコミック・スペリオール』。そこが驚愕した理由です。たしかに小学館のコミック誌間では作家の移動や出張はわりと普通にあります。また花沢氏は、『スペリオール次世代マンガ大賞』の審査員でもあります。編集者の異動・交流もあるでしょうし、まったく縁もゆかりもない雑誌に移籍したわけではありません。

しかし花沢健吾氏はスピリッツの看板作家だったはずです。発行部数に関してはいささかの伸び悩みも仄聞するスピリッツ誌。そう簡単に手放すとは思えません。この移動には何か政治的、とまでは行かなくとも営業な思惑が絡んでいるのではという詮索も沸きそうですが、そのあたりはあまり興味ないのでこのブログでは触れません。

言えるのは、各エピソードごとに取材を綿密に行い、構想を練り上げるタイプの花沢氏には、週刊誌であるスピリッツより、月二回発行(第二・第四金曜日)のスペリオールの方が、連載ペースはあっているだろうな、ということです。アイアムアヒーローの掲載時も、平均して三週掲載しては一週休載、それでも貯金がなくなると一~三ヶ月の長期休載がはさまりました。もともと月二回刊行のスペリオールの方が、落ち着きは良いかもしれません。

もちろん掲載を楽しみに待つ側からすると、隔週、場合によって隔隔週でしか読めないというのは、まだ連載一回目も読んでいない今からすでにじりじりとする思いです。

雑誌のカラーも、スピリッツよりスペリオールの方が編集の作家に対する干渉が少ないという印象です(私の個人的印象なので間違っているかもしれません)。そうだとすれば、これも花沢氏にはより合っているという気がします。

干渉といえば、今回の作品は映画化などされぬことを切に望みます。前作で、漫画作品が映画化などされても作品には(控えめな表現をしても)読者として何のプラスも感じ得ないということ痛感しました。今回はそうならないことを切に望む次第です。




花沢先生の次回作がスペリオールで始まることは、個人的にも渡りに舟でした。アイアムアヒーロー終了後しばらく、漫画雑誌は何も買わなくなっていたのですが、ちょうど最近、唯一購読し始めた雑誌がスペリオールだったからです。

スペリオールを購読し始めた理由は同誌掲載の『響~小説家になる方法~』読みたさです。一刻も早く読みたさ、です。単行本で読んでから一気にはまってしまい、掲載誌のスペリオールを毎号買うようになってしまいました。より正確に書くと、スペが並ぶ週の木曜日朝2時にはコンビニに買いに行くようになっていました(近所のコンビニは金曜発売のスペリオールを一日早出しして木曜日に並べる)。

前回作アイアムアヒーローについてですが、実はこのブログでだいぶ書き残したことがありまして、次回の連載が始まるまでには書き上げておきたいと思っていました。しかし仕事に追われ手を付けられないでいるうちに、とうとう次回作が(題未定とは言え)発表されてしまいました。間に合うかどうかわかりませんが、来月から再開して少しずつ書いて行く予定です。ご興味のある方は、そちらにもおつきあいいただければ幸いです。