「アイアムアヒーロー」第150話【ネタバレ注意】

今週第150話は、前二話に渡る回想回の少し前、147話(の前半)の続きとなります。冒頭からネタバレ連発となりますので、未読の方はここでスキップお願いします。



ハーレム

さてハーレムという言葉に何か夢を持っているらしい英雄ですが、イスラム教のハーレムや江戸時代の大奥が、実際にはその主にとって相当しちめんどくさい世界であるのは良く知られていることです。

めんどくさいというのは、第一に、特に制度として確立したハーレム(や大奥)の場合、そこは徹底したビューロクラシーの世界で、手続きによらずうかつに好き勝手なことはできないという意味であり、第二に、そこにいる大勢の女性の人間関係、あるいはその権力闘争に向き合うのに相当な精神的エネルギーが必要だという意味です。

今回の藪の「あんたでも今のところたったひとりの男だから…」「くれぐれも公正中立にな。変なことしてバランスくずすなよ」というセリフは、英雄に対しそういうリアルな意味でのハーレムの王様になれよ、と言っているかのようです。

147話の記事で「この英雄と藪の関係の変化が、今後、比呂美の心理に微妙な影響を及ぼしていくことにもなるのでしょう。」と書きましたが、藪はもう少し大人のようですね。

ただまぁ、人間は感情の動物。今後ずっと三人で行動した場合、いつまでもバランスが保たれるかどうかはわかりません。

意識レベル

藪の簡単な意識レベルテストに合格した比呂美ですが、精神活動が完全に復調したのかと言えば、どうもそうではないようです。

感染直前からの記憶は欠落したままのようですし、なにより記憶を欠落しているそのこと自体を自覚していない様子。会話にも、周りの人の言葉に自動反射しているような落ち着きの無さが消えません。

これは徐々に回復していくというより、何かのショックで一気に記憶を取り戻すことになるような気がします。

誕生日

意識レベルテストの過程で比呂美の誕生日が1993年6月10日ということが明らかになりました。

さっそくカレンダーにも比呂美ちゃんの誕生日を書き加えました。6月10日というのはなかなか微妙な日付です。現在の日付から比較的近いので、もしかしたらこの日付が多少ストーリーにも絡んでくるのかな、と思わせる日付でもあり、物語が今のペースで進む限り、6月10日に達するのは2020年代になりそうという日付でもあります。

もちろんただ単純に比呂美ちゃんに誕生日を聞いただけ、と言うことかもしれません。

CASIOの計算サイトの入学・卒業計算によると、2009年5月の「今」現在の比呂美は15歳、高校に入学したばかりの1年生、ということになります(留年や休学がなければ)。

昔作ったFAQで、私は比呂美の学年を高校2年と推測しました。春先に林間学校に出かけるのは3年生にしては暢気すぎだし、1年生、つまり入学して正味一カ月にも満たない時期にしては比呂美と級友たちの人間関係が出来上がり過ぎてるな、と感じたからでした。

しかしどうやらその一カ月弱の間に、紗衣グループによる比呂美へのイジメ、紗衣グループ内での加奈子へのイジメ、「私たち、誰も仲良くないから」という関係ができあがっていたようです(比呂美の高校が中高一貫女子高だった、という可能性もないではないですが)。



時系列

日付がらみでもう一つ書いておくと、モール壊滅→藪のマーチによる脱出→比呂美の手術→芦ノ湖テント村への移動→夜のダブルヘッダーと色んなことのあった 5月11日月曜日から、今週号第150話までの間に何日経過しているのかが謎、というか混乱しています。

今号150話、それと147話前半の二人の雰囲気からすると、いかにも今号の日付は、5月11日夜のダブルヘッダーの余韻の残る翌日、12日の早朝、という感じです。しかしそうだとすると、147話の下のコマと完全に矛盾します。


第147話についての記事で「比呂美ちゃん二週間以上寝てたんだけど…」の「二週間」は、二週間の起点をどこに置いても話が成立しないので、これはおそらく「二日間以上寝てた」の間違いなのだろうと判断しました。

実際、最近掲載の三話のスピリッツの煽りでは「比呂美の手術から覚醒までの数日間」としつこく念が押されています。

その「二日間以上だった」が正しいとしても、今回(第150話)が12日早朝というのは成り立ちません。比呂美の手術が行われたのは11日のおそらく午後4時くらいです。ここを起点とすれば、12日早朝だとせいぜい半日あまり。比呂美が頭に釘を受けた11日早朝を起点としても、やっと正味一日です。

ということで現時点ではカレンダーに記載したとおり、現時点(第150話)の日時は5月14日早朝と考えるしかないようです。(藪はともかく)英雄はダブルヘッダーの余韻を相当に引きずっているということなのかもしれません。

この辺りは私が悩んでも意味がないことなので、ストーリーの進展とともに詳細の明らかになるのを待ちたいと思います。

それは別として、この5月11日から14日は、久喜市で崇の物語も同時並行で進んでいた時期でもあります。整理する意味で、この4日間の時系列表は近日まとめるつもりです。

追記。前回、150回記念回となる今週号は巻頭カラーにでもなるのでは、と書きましたが、あにはからんやまったく通常営業でありました。そのかわり来週が巻頭カラーになるようです。そういえば連載100回目のときもそんな感じだった…。

※記事中で引用した画像は単行本・花沢健吾『アイアムアヒーロー』(小学館)、または週刊『スピリッツ』(同)より

(2013/07/22 14:18 投稿)