「アイアムアヒーロー」第148話【ネタバレ注意】

藪がマーチを走らせる芦ノ湖北岸は有名な旅館や高級ホテルが立ち並び、昔も今も新婚旅行に訪れるカップルの多い景勝地です。

そうした空気にあてられたのか、あるいは何度も死に瀕して種保存本能のスイッチが入ったのか、藪と英雄は5月11日のこの夜、どうやらイタシテしまいそうな雰囲気となっています。

 (芦ノ湖編のマップはこちら

さて、先週公開した【まとめ】 カレンダーで私は、比呂美がロッジで目覚めた日を5月26日としました。前回147話で英雄が比呂美に語った「比呂美ちゃん二週間以上寝てたんだけど…」のセリフを根拠にしています。



ところが今週のスピリッツの第148話では、編集者の柱アオリで2度にわたり「比呂美の手術から覚醒までの数日」と記されていました。

実際、前回147話の英雄の「あれ~~~?」は、せっかくイタシてしまったのに変わらない藪の態度への残念感あふれるセリフで、その残念感の新鮮さは、行為からせいぜい数日しかたってない雰囲気を漂わせています。

そうなると英雄の「二週間以上」のセリフは何だったのでしょうか?考えられる理由の一つは、その二週間の起点が手術日の5月11日ではなく、比呂美の発症した5月5日だった、という可能性です。

しかしそれでも比呂美の目覚めたのは(早くても)5月19日ということになり、5月11日から数日というのとはちょっと折り合いがつきにくく感じます。それ以上に、ZQN感染中に起きて活動していた比呂美を、英雄が「寝ていた」と認識するのは変です(これがカレンダーで発症時起点説を採らなかった理由でもあります)。

どうもこれは単純に英雄の「二週間以上」が「二日間以上」の言い間違え(あるいは誤植)であったと考えるしかなさそうです(「二日間以上」ではなく「一週間以上」の間違えである可能性は、5日と11日のどちらを起点としても上と同様の理由で無いと思います)。

ということで、カレンダーは以下のように変更しました。今後の展開で多少後ろにずれるかもしれませんが、今のところ比呂美の「覚醒」日は5月14日にするのが一番座りが良さそうです。

ところで下のコマは「テント村」のロッジを確保するためにガラス破りをした英雄です。その歪んだ表情は、ガラスの粉砕音がZQNをおびき寄せないかと言う怯えだけではなく、例により社会のルールを破ったことに対する自責の念を含んだものでもあるのでしょう。

ガラス破りは比呂美が富士五合目の山小屋に押し入った時の手口と同様で、この時の比呂美は悪びれた様子も無く、むしろあっけらかんとしています。

二人は共通した境遇や周囲からの疎外感を持つ反面、対照的な性格も持ち合わせています。今回の英雄の描写はおそらくはある程度意図的に富士五合目での比呂美の描写と対比させたものではないかと思います。




※記事中で引用した画像は単行本・花沢健吾『アイアムアヒーロー』(小学館)、または週刊『スピリッツ』(同)より

(2013/07/01 08:31 投稿)